【スペシャル インタビュー】
「東京混声合唱団 特別演奏会 IN 池田」指揮者 谷 光信(たかや みつのぶ)さんに聞く
  
 2011年3月26日、日本のプロ合唱団の最高峰「東京混声合唱団」がアゼリアホールに初登場いたします。指揮を務めるのは、東京混声合唱団とも数多く共演し、楽しく息のあったコンサートを展開する俊英の若手指揮者・谷光信さん。インタビューから、合唱団や演奏曲と向き合うひたむきな姿勢が伝わってきました。
谷光信
東京混声合唱団
―この演奏会の聴きどころ、演奏曲への思い入れについて―

今回のメイン曲である、一柳慧さん作曲『未来へ』は2008年に大阪大学混声合唱団に
委嘱された作品です。阪神淡路大震災を題材にしており、苦しい時代から未来へ扉を
開いてゆく強さを感じる作品です。震災で傷ついた若者が、これからの人生に希望を見
出し、また大人たちはその希望の光を大切に守ってゆく、といったテーマの素晴らしい
作品です。その世界観を東京混声合唱団(以下、「東混」)のハーモニーでどのように表
現されるか、お楽しみいただきたいと思います。

その他にも、池田市にゆかりあり、日本で初めて口語による童謡を作詞したことで知ら
れる、東くめ さんの唱歌作品(作曲:滝廉太郎)メドレー・混声合唱版を初演いたします。 
東くめさんが半生を過ごされた池田で、そして東混の演奏でこの作品を指揮できることは、
私にとって大変光栄なことです。

また、今回の演奏会では、「東混」の舞台だけではなく、地元の合唱ファンの皆さんで
構成された「東混と歌う会」と共演出来ることにも、大変うれしく思います。研ぎ澄まされ
た「東混」の音色と、歌を愛してやまない「東混と歌う会」の皆さんの音色が混ざり合い、
どのような響きを体感できるのか、本当に楽しみです。



―東京混声合唱団についてお聞きします―

「東混」は、私の音楽に対する考え方に大きく影響を与えてくれました。「東混」との出会い
がなければ、私の音楽人生は全く違っていたことでしょう。本当のプロ意識とはどういう事
かを教わり、何が一番大切であるかを演奏をもって教えてくれました。「東混」の皆さんは
年間100公演を超える本番の中でも、特に学校公演を大切にしています。
「子供たちに本物を!そして、未来の音楽人を育てる、また音楽を通して、お客様に合唱
音楽を広め、元気を与えるために最善を尽くす」そのようなすばらしい志を持った合唱団で
す。



―東京混声合唱団とは何度も共演されていますが、思い出深いエピソードがあれば聞かせてください―

様々な思い出がありますが、山口県の養護学校での公演が特に印象に残っています。
体育館はベッドも入り、また会場に来れない子どもたちは、教室のテレビで中継を見ていま
した。その日の公演は、いつもと違う感じで、私も何か起こるかもしれないという予感を感じ
ていました。
プロとは常に冷静に、そして情熱を持って演奏に徹するものだという姿勢でいましたが、こ
の日、森山直太郎の『虹』を全員合唱で歌った時、「東混」の団員が涙を流しながら歌ってい
ることに気付き、びっくりしました。そして、しびれるほど感動しました。心が震えると言う事は
こういう事だと思いました。



―共演される「東京混声合唱団と歌う会」について―

「東混と歌う会」と演奏いたしますのは、日本の唱歌を季節ごとにメドレーにした『ふるさとの
四季』です。
「東混と歌う会」の皆様と練習を重ねるうち、私も皆様も『ふるさとの四季』が本当に大好きな
んだなと改めて感じました。それとともに、日本語を美しく歌うということの難しさを実感してい
ます。



―お客様へのメッセージをお願いします―

様々なジャンルの曲を演奏いたしますが、それぞれの作品の歌詞とメロディーの調和を感
じていただき、素敵なひと時をすごしていただければと思っております。「東混」の歌声をとお
して「生きる力」を感じていただき、元気になって帰っていただけますよう、私も最善の指揮、
演奏ができるよう努めます。日頃の忙しさを忘れ、音楽の世界を、合唱の世界をご堪能いた
だければ幸いです。



谷光信(たかやみつのぶ)
1977年京都市生まれ。大阪音楽大学卒業後、2003年キエフ国立チャイコフスキー音楽院指揮科を
首席卒業。大阪交響楽団(旧・大阪シンフォニカー交響楽団)ほか、国内外の数多くのオーケストラと
共演。アゼリアホールで開催の「関西シティフィルハーモニー交響楽団 ファミリーコンサート」にも
これまで3度指揮し、大絶賛された。合唱指導者としても評価の高い、俊英の若手指揮者。
現在、ウクライナ・チェルニーゴフ・フィルハーモニー
交響楽団第2指揮者。
 【谷光信 公式HP】)




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